TATECO FARM

東京農業大学の学生が中心となり、千葉県八千代市で野菜を栽培している。食や農業に興味がある学生が集まり、農業をするだけでなく、地元の人とのつながりが生まれるようなコミュニティーをつくることが目的である。
 団体を立ち上げたのは、代表が住む八千代市の農村で耕作放棄地が増え、農村景観が失われつつあると感じたことがきっかけだ。「何か手を打たなければ自分が住む地域の風土が壊れ、そこで生活する人の幸福度が下がってしまう」「原風景を残すために何かできることはないか」と考えたとき、まずは若者が農業をする環境をつくり、足を運んでくれる仕組みを作ることができたら面白いと考えた。
 活動内容は大きく分けて二つ。一つは、農地を借りて土づくり、マルチ張りなど、全ての工程を体験し、一年を通して栽培を行っている。初年度である今年はナス、サツマイモ、エダマメを育て、獲れた野菜でBBQや料理人を招き、料理教室を行った。天候によって作業できる日が限られ、形や大きさは不ぞろいなものも多い。また、無農薬栽培を実際に行うことで生産者がどんな苦労をしているのか。なぜ、現在の生産者の方が儲かる人と儲からない人に分かれてしまうのか。この原因を身を以て体験することで、今後の食、農を考えるきっかけになればと考えている。
 二つ目は、地元の農家さんから野菜を提供してもらい、取れたての野菜を使った料理教室、放置竹林の竹を利用した流しそうめんなど地域のものにこだわったイベントを開催した。これは高齢化が進む中で若者が地域に入ることで活性化できるのではないか。大学生だけでなく、地元の方とのつながりを大切にすることで、新しい風を起こせると考えている。

 今後は八千代市だけでなく、活動を通じて縁のあった神奈川県小田原市が取り組む「ミカン畑の耕作放棄地を解消する活動」も行う考えだ。果樹生産である畑、野菜を生産する畑、田。これらの耕作放棄地になる原因が同じだと考える。十分な収益が得られない。担い手が不足している。貸し手が少ない。高齢化によって広い畑が維持できない。地域は違うが、抱えている問題には共通点があり、その地域の強みに気づくことは私たち若者の方が多い。地元の人の当たり前がその地域の強みであるからだ。その強みに気づく機会を作りだし、問題を解決する。
そして、最終的なビジョンとしては地域の耕作放棄地を改善し、農村風景をこれからも守ることで幸福度を保つことが目標である。